友人とルームシェアで暮らす家

仲のいい友人と家をシェアするという暮らし方もあるかもしれないとテレビを見ながらふと思うことがあった。学生や若い人が一軒の家を借りて住むことで家賃を安くするという考え方ではなく、将来ひとりで暮らしていくよりも気の知れた友人とルームシェアをした方がお互い安心できるという暮らし方。他にも年齢を重ねていく中でパートナーと死別した兄弟や姉妹が同士が、昔の家族のように一緒に暮らしていく場所として。

住宅地にある、ほぼ正方形の形をした25坪の家。道路に面した玄関の扉を開けると正面には収納があり、収納の左右の扉を開けると個人の部屋に繋がる。個人のプライベートな空間は決して広くはなく、ベッドと机を置いたら残りのスペースは僅か。それでも十分なプライベートは確保できると思う。

1階は他にも水回りがある。水回りは共有で洗面スペースも浴室も1つ。洗面スペースの扉を開けると外に繋がっていて、ちょっとした洗濯物は外に干すこともできる。特別大きいわけではない水回りも使い勝手は良くしたい。

階段を上がって2階へ行くとワンルームのリビングやダイニング、キッチンの空間が広がり、部屋の真ん中にある大黒柱が安心感を与える。キッチンからは部屋全体が見渡せ、ソファからは外の木々を楽しむことができる。何となくそれぞれが近寄って会話を楽しんでも良いし、離れれば個人の空間を確保できるはずだ。

共通の友人を数人呼んでワイワイと楽しめる場所でもあり、大人ならではのしっとりとした雰囲気が広がったらいいなと思っている。

*この建物は建築家・堀部安嗣さんが建てられた家の要素を多く取り入れて計画をしました。感覚的にはイラストレーターが先生の絵をトレースして学ぶように、日本で有名な建築家の家を自分なりに理解するために焼き直した感じの建物となります。