田舎の古い家屋を直して暮らす

日本という場所に生きていく。風土も人も政治も含めて。時代の空気感や雰囲気に乗ることなく、植物のように環境に右や左へ揺れながらも自分の信じた芯を曲げずに生きていく。装うことなく粛々と足を運ぶように。

田舎へ行くと見かけることの多い空き家を住みやすいように直し、家の前に畑をつくり野菜を育て、人が食べることができる実のなる木を敷地内に植えることで、世界的な疫病や甚大な災害時でも食べていける土台を作る。

原始的かもしれないけれど、自分自身が体を動かすことで体のリズムを整え、身体全体に疲労を与える。土に触れている時間は言葉では言い表せないような、人に落ち着きを与えてくれると思っている。ストレスを吸収すると言ったものではなく、大地や自然と一体化しているような感覚。人も自然の一部ということを再認識をさせてくれる。
世間の情報に触れすぎると頭だけが疲れてしまう。頭だけに自分のエネルギーをあげるのではなく、身体全体に分け与えたい。

平時であればお金で買えるものでも、人が、世界がパニックになっている時は買えない物も出てくる。目の前で野菜や果樹が育つ様を肌で感じることで、自分が無力に感じた時の心の支え、心の安定になるかもしれない。

だた、田舎にある古い家屋を直して暮らすことにリスクがないとは言えない。

古い家屋は耐震性に乏しい。耐震という概念が一般化する前で、今ほど法律も整っていない時代に建てられた建物は、基礎の強度、耐力壁の不足に加え、木材がシロアリなどに食べられている可能性もある。ただ、ここは考え方を変える事で対処したい。「大きな地震で家屋が倒壊するかもしれない」と事前に予測していたら、災害時に何が必要なのか、どのような行動が求められるのか、災害の準備ができる上に、実際の行動も変わると思う。

また、田舎ならではの仕事のないリスクもある。

これも1つの場所にずっと働く生き方から、複数の仕事を持つ暮らし方に変えていくことで対応したい。高齢化による福祉施設での仕事、近隣農家の手伝い、PCを利用したオンライン上でできる仕事、投資、、、場所の環境を活かしつつ、お金を稼ぐ方法を模索する。

情報過多で目にしたくない情報、聞きたくない情報が押し寄せてくる現代。上手にブロックをして、人と人の距離感を大切にしながら生きていく場所があってもいいと思っている。